【療法士転職】特養での仕事内容と、40代におすすめできる理由3選

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最近、特別養護老人ホーム(通称特養)でのリハビリ職員募集が増えてきました。
リハビリ業界全体で転職する人増えてきている今、特養への転職を意識する療法士さんも多いのではないでしょうか。

こひつじさん

特養って未知の領域すぎて、転職先に選ぶのは怖いなー

おだかすみ

特養で働く療法士はまだまだ少ないものね。
今回は特養でのお仕事について説明するよ。


実は特養こそ、アラフォー療法士の転職先におすすめできる施設だと私は考えています。
その理由はこちら。

  • 療法士として何をすべきかが分かるので、一人でも迷わない
  • 権威性があり、他職種間で立ち回りやすい
  • 歳をとっても働きやすい

私はいま、療養型病棟・地域包括ケア病棟・老健・特養を持つ法人でリハビリ科長をしています。
この立場になる前はSTとして老健2カ所と特養2カ所で働いていました。

結論、アラフォー療法士の転職に、特養はぜひおすすめしたい!
もちろん向いている人、向いていない人がいますので、その部分も包み隠さずご説明します。

この記事を読めば、特養への転職も怖くない!
特養のお仕事に興味のある方は、ぜひ続きをお読みください。

目次

特養ってどんな場所?

特別養護老人ホームの主な目的は、高齢者が自立した生活を送ることを支援し、安心して生活できる環境を提供することです。また、家族の負担を軽減し、社会全体で高齢者を支える仕組みを構築することも重要な役割です。

ご利用者さんの特徴は以下のとおり。

特養利用者の特徴
  • 原則、要介護度3以上
    (重度認知症や家族による虐待等で緊急性が高い場合は、要介護1、2での入所も可能)
  • 常時介護が必要で在宅生活が困難な方
  • 年齢層は85歳以上が大半を占め、看取り対応となる人も多い
  • 住所を移し、終の住処として特養を選択している

ちなみに特養に療法士の配置義務はなく、「機能訓練指導員」として下記の配置要件を満たすために採用されます。

機能訓練指導員の配置基準
  • 機能訓練指導員として1人以上の配置が義務付けられている
  • 機能訓練指導員は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの資格を持つ者が担当することができる

多くの特養では最低基準の1名のみの配置にとどまっていることが一般的。また療法士ではなく看護師でも担当することができるため、療法士が配置されても1人職場となる場合がほとんどというのが現状です。

こひつじさん

超高齢者を看取る環境で1人…。
そんなところで何すればいいの!?

おだかすみ

今度は、機能訓練指導員として療法士が何をしていくのかを見ていくよ〜

機能訓練指導員の業務内容

機能訓練指導員の仕事に関係する加算は以下のとおり。

  • 個別機能訓練加算
    専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置し、個別機能訓練計画を作成・実施した場合に算定できます。
  • 経口維持加算
    摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者に対して、多職種が協働して経口維持計画を作成し、経口による食事の摂取を進めるための特別な管理を行った場合に算定できます。

この中で必ずといって求められるのが、個別機能訓練加算です。個別機能訓練加算を算定するためには下記の業務を行う必要があります。

STEP

生活機能チェックシートの作成

引用元: 厚生労働省 介護保険最新情報 vol.1217 様式3-3

これはいわゆる評価表です。一般的なADL、IADL、基本動作について評価します。
前述したとおり機能訓練指導員は看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師でも務めることができるので、専門的な療法士の評価を求められることはありません。
「いまどんな動きができるのか」を素直に評価していきます。

STEP

個別機能訓練計画書の作成

引用元: 厚生労働省 介護保険最新情報 vol.1217 様式3-3

こちらが特養で記入する、個別リハビリテーション実施計画書です。
昨今の病院や老健で使用されている計画書に比べて、だいぶシンプルな内容となっています。

訓練プログラムは個別リハビリでも集団リハビリでも、介護さんが行う生活リハビリでもOK。訓練時間の制約もありません。

ちなみに最近は、栄養ケア計画と口腔機能向上に関する計画書とが一体化された、「個別機能訓練・栄養・口腔に係る実施計画書」の様式の使用が広まってきています。
様式こそ違いますが、書く内容としては大きく変わらない(むしろもっと少ない)ため、ここでは説明を省略します。

STEP

ご本人またはご家族への説明

計画の内容をご本人やご家族に説明し、同意を得ます。

STEP

計画内容の実行、記録、3ヶ月ごとの見直し

計画に記載された訓練プログラムを決められた頻度で実施し、それを個別機能訓練の経過記録に記載していきます。最近は電子記録システムを使用している事業所が多く、その中に訓練記録を書く欄もちゃんと用意されています。
電子記録がない場合は自分で経過記録を作成します。様式に決まりはありませんが、いつ、誰が、どのような内容を行なったか、その時の様子を記録する必要があります。

こひつじさん

確かに書式はシンプルだけど…。一人で入所者全員分の評価をして計画書書書いてリハビリもするなんてムリだよ〜

おだかすみ

一人でぜんぶ、と思うとびっくりするよね。
次は100人対1人でも穏やかにお仕事するための心構えを教えるよ。

特養で働くための心構え

特養の平均的な入所者は100名。そこに配置が義務付けられているのはたったの1名。リハビリに関する加算も少なく一人職場となることも多い特養では、これまでの価値観が通用しない場面が多々出てきます。

ここでは特養で働く前に知っておきたい心構えを3つ、ご紹介します。

ぜんぶ完璧にやろうとしない

上に挙げた全ての業務を一人でかんぺきにこなそう、と思うと、時間がいくらあっても足りません。

たとえば先ほどの評価。こんな簡単な評価用紙じゃ物足りない、療法士としてはもっと細かく評価できるし、したいと思う気持ちもあるでしょう。

【体験談】
私も最初は、入所者さん全員のMMT(筋力)やMMSE(認知機能テスト)の評価を完璧にしよう考えていました。
しかしその検査に追われるあまり、ご利用者さんとお話する時間は取れず、他職種との関係性を作ることもできませんでした。しかも評価した結果を活かす場面はほとんどなく…。
結局は自己満足で評価をしていただけだった、と気がつくのに時間がかかりました。

ご利用者さん全員を完璧に評価しようとすると、それだけで1日が終わります

訓練にしても、一人では個別訓練・集団訓練合わせて週1〜2回の関わりが限度。その関わりだけでご利用者さんの機能維持や事故防止を目指すことはできません。
最終的に、介護士さんや看護師さんに協力してもらう「生活リハビリ」を活用する方法に辿り着きました。

生活リハビリの例
  • 体位交換時の寝返り練習
  • 移乗時の端座位保持練習
  • トイレ動作時の立位保持練習
  • 食事時の自力摂取練習 などなど

評価は最低限、訓練はできる範囲でやってあとは他の職種の力を借りる。
この方法であれば、100人相手でも無理なく仕事することができます。

おだかすみ

生活リハビリをしてくれない職員もいましたが、それでも人に任せる方がずっと楽でしたよ

何より優先されるのは「安心」と「安全」

こひつじさん

これまで当たり前にしてきた評価や訓練をしなくていいって言われてもなぁ〜。

特養で働くことになったら、ゴールの位置を少し変える必要があります。

機能を回復する → 機能を維持する
できることを増やす → 今できていることをできるだけ長く続ける

特養は「体を治す場所」ではなく、「生活の場所」です。
そして生活の場所で求められるのは厳しいリハビリではなく、「安心」して「安全」に生活できる環境です。

ここで暮らす方々に、いかに苦しい思いをせずに人生最後の時間を過ごしていただくか。
これが特養で働く機能訓練職員の最大のミッションとなります。

療法士の職種は関係ない

ここで、衝撃的な事実をお伝えします。
特養で求められる療法士の役割に、職種の違いは関係ありません。PTでもOTでもSTでも、実は同じ役割を求められるのです。

こひつじさん

え、ぼくPTの仕事しかできないんだけど

おだかすみ

私はSTだけど、特養でお仕事するとなったら「それしかできない」とは言ってられなかったよ


機能訓練指導員は一人ですので、PTでも嚥下の相談を受けることはありますし、STでも歩行器の選定や車椅子の調整、ポジショニングについて相談されることもあります。

ただしその分野について深い知識まで持っている必要はありません。(というかそれは不可能に近いです)
療法士として基本的な知識があって、必要なときに調べながらお仕事する気持ちがあれば乗り切れます。

ただこの点が、新人療法士さんに特養をおすすめできない理由になります。
次はアラフォー療法士にこそ特養をおすすめしたい理由を解説していきます!

アラフォー療法士に特養をおすすめする理由3選

一見すると厳しい環境にも感じられる特養ですが、アラフォー療法士であれば穏やかに働ける道筋が見えてきます。
ここではその理由についてご説明していきます。

幅広い知識を持ち、療法士として何をするべきかが分かる

おすすめできる一つ目の理由は、PT・OT・STの垣根を超えた幅広い知識を持っている人が多いということです。

これまで仕事をしてきた中で、他の療法士と全く接点を持たずに仕事をしてきたという人はいないでしょう。各職種で連携してリハビリをしていく中で、患者さんの問題に対して他の療法士がどのように対処しているのという知識を、意識しないうちに身につけてきています。

PTさんはこういう人に歩行器を勧めていたな

STさんはこういう食べ方は危ないから食形態を下げた方がいいと言っていたな

この知識が、特養で仕事をしていく上で非常に重要となってきます。
なぜなら繰り返しお伝えしている通り、特養は一人職場であることが非常に多いからです。

・一人でご利用者さんにとって一番の問題を見抜いてアプローチするためには、一点突破の専門的な知識よりも、より網羅的で幅広い知識が必要とされる

・40代療法士は専門職の枠を超えて「療法士として何をするべきか」がわかるため、一人職場でも迷いなく仕事を進めることができる

これが若手療法士ではなく、40代療法士に特養をおすすめしたい大きな理由です。

権威性があり、他職種間で立ち回りやすい

特養は一人職場であるが故に、一人では何も事を動かすことができません。
ご利用者さんにとって最良のアプローチを行うためには、介護士・看護師・栄養士・相談員といった他職種の理解と協力を得ることが必要不可欠。
この理解と協力を得るためには、他職種間でうまく立ち回ることが求められます。

こひつじさん

う、うまく立ち回れるかな…

おだかすみ

実は若い職員よりもアラフォーの方がうまくいくことが多いんだよ

残念ながら特養では、病院や老健と比較して療法士に対する理解が乏しいのが現実です。
介護士や看護師から「この人は何をする人なんだろう」という懐疑的な視線を向けられることもあるでしょう。

私の経験上、そのような環境に若い療法士が入ってしまうと、他職種から下に見られてしまう場合が多いです。療法士自身も存在意義を見失い、”何をすればいいんでしょう”なんて聞いてしまったことで介護職員のような仕事をさせられたという話もあります。

そのような事態を避けるためには、療法士自身が何をするべきかのビジョンを明確に持っていることが重要。そして可能であれば、ある程度の年齢を重ねた権威性のある人物が入職することがベストです。

【体験談】
私は35歳を少し超えたあたりで特養へ異動となりましたが、最初の段階から他職種と対等に話せる環境であったことは大きなアドバンテージだったと考えます。
内心冷や汗をかきながらでも大筋のやるべきことが見えていたことで、お局看護師さんにも臆することなく協力をお願いすることができました。

先ほどご紹介した「療法士としてすべことが分かる」ことと合わせて、年齢は特養で働く上で大きな武器となります。

歳をとっても働きやすい

特養は実は身体的負担がとても少ない職場です。

こひつじさん

いやそれは絶対うそでしょ

おだかすみ

うそみたいだけど本当の話だよ

その理由は、「ノルマがないから」。
正確に言うと、「ノルマを自分で決めることができるから」です。

先ほど説明した通り、訓練の頻度、内容、誰が行うかまで特養では自由に決めることができます。
病院のような単位・時間のノルマや、老健のような訓練頻度のノルマすらありません。
もちろんご利用者さんにとってできるだけの機能訓練は行う必要がありますが、それでも一人で完璧に行うことは無理、と一定のラインを引いてやり方を見直すことが可能です。

体に負担をかけずに働く方法
  • 生活リハビリを他職種に任せ、療法士は関節可動域訓練や作業訓練をメインの仕事にする
  • 立てない人を無理に立たせようとしない(あくまで目的は機能維持)
  • 集団リハビリを活用し、全員で体を動かす機会を提供する

これはあくまで一例ですが、自分なりのルールを設けて働ける点が特養の魅力。
「もっと負荷をかけたリハビリがしたい」というバリバリのPTさんなら、そのルールに基づいてお仕事することも可能です。しかしいずれ歳を取り、ご自身が辛くなる時がやってきます。いつかそんな時が来ても柔軟にお仕事を続けることができる、という点は、アラフォー世代にとって大きなメリットと言えます。

特養で多い困りごとと対処法

こひつじさん

でもやっぱり一人って不安だよー。トラブルとかないの?

おだかすみ

私が実際に体験したり話を聞く中で多かった困りごとを教えるね。
私なりの対処法(主観多め)も書いてあるので、気になる人は見てみてね。

一人で寂しい

これは割り切りが大切です。
私たちはあくまで機能訓練指導員として仕事をするために雇われています。自分のやるべき計画書の作成と実行に集中しましょう。
周りとの距離感を持って仕事することで、対人トラブルに巻き込まれにくいという利点もありますよ。

あたりの強い介護さん(または看護さん)がいる

どこの職場にも、相性の合わない人の一人二人はいるものです。
私の場合、その人と最低限の関わりで済むようにフロアを回っていました。(どこで仕事するのも自由です)
相手が管理職の場合はさすがに避け続けるわけにもいかないので、以下の方法で距離を詰めていました。

・小さな頼み事をして、大げさに感謝する
・相手の良いところを見つけて賞賛する

まず相手に”私は敵ではないですよー”と分かってもらうことに注力します。仲良くはなれなくても仕事をする上で必要最低限の言葉のやり取りができたらそれでヨシ、という割り切りも必要です。

何をしていいか分からない

入職直後は特にこの状態になりやすいです。
まずは時間割を作るのがおすすめです。
私は10分刻みのスケジュール表に、その日に個別リハビリをする人を入れ込んでいました。大体予定通りには行きませんが、1週間を通して週1〜2回関われたらそれでOK。
「今日何しよう」の不安はだいぶ解消されますよ。

やたらと介護職員さん向けの勉強会や研修を依頼される

「この人はリハビリの職員さんなんだ」と認識されると、施設内研修の講師を依頼されることが頻繁にあります。
内容は移乗介助方法や福祉用具(スライディングボード等)の使い方、ポジショニング、食事介助方法について指導についてというものが多いです。
この研修、1回2回であればまだいいですが、毎年・毎回と頼まれる頻度が多くなると準備だけでもかなりの時間が取られます。自分は人に教えるのが好きなんだという療法士さんはいいですが、ちょっと苦手、、という方には以下の方法をおすすめします。

  • 研修部会の職員に研修資料を渡し、毎年同じ内容で違う人が講師をするよう勧める(自分なりに調べてわかった内容を一つだけ加えるよう依頼)
    → 「人に教えることで教える職員の知識も深まるし、聞く側も繰り返し学ぶことで頭に残りやすいですよ〜」とメリットを強調することがポイント。
  • ディスカッション方式にする(資料の作成は必要最低限で済ます)

職員全員に実技指導するように言われて毎日残業する羽目になった、という話も聞きます。際限なく仕事を任されて苦しくなることがないよう、自分の身は自分で守っていきましょうね。

生活リハビリをしてもらえない

これもあるあるですね。
他職種にとっては忙しい日々の業務の中にさらにやることが増えるわけですから、嫌な顔をされるのはある意味当然と言えます。
生活リハビリを頼むポイントとしては、決して押し付けず「毎回じゃなくてもいいですよ」と相手に選択肢を与えること。そして、意外とこの利用者さんって動けるんだ!という発見の機会を提供することです。

誰でも「やらされる」のは嫌なもの。プライドを持って仕事している人にとっては尚さらです。
そのお気持ちを尊重し、今日は1回でも生活リハビリしてもらえたらいいな〜とゆったり構えることがストレスを減らすポイントです。
また、プライドを持って仕事している人は、”自分だけが知っている”ことに喜びを感じる場合が多いです。ご利用者さんの隠れた能力を発見すると、次は自分から「この方、移乗の時に立つだけじゃなくて足も出してくれたんだよ」と教えてくれることもあります 笑

人の行動を変えるのは想像以上に時間がかかります。時間をかけて習慣を浸透させていくイメージが大切ですよ。

長期で休むことになった

感染症や家族の看病で長く休んでしまった…そんな事態は誰にでも起こりえます。
一人職場だと周りのフォローも受けられないし、もうだめだー、、と肩を落とす必要はありません。

機能訓練指導員として最低限やるべき仕事は、「3ヶ月に1回の個別機能訓練計画書の作成」です。個別リハビリを週○回必ずやること、という決まりはなし。仮に1週間2週間個別リハビリがお休みになったとしても、今のところそれを罰する規則は確認されていません。

ただし他職種が行なった生活リハビリの記録は残しておく必要はありますし、訓練再開時には”○月△日〜○月△日の期間、機能訓練指導員体調不良のため個別訓練実施せず”と記載するのがベター。
また、もし1ヶ月以上休むとなると個別機能訓練加算の「専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置し」の要件を満たさなくなるため、早めに職場に連絡し、代わりの機能訓練指導員の登録が可能か確認することをおすすめします。

給料が低い

特養療法士の給与は残念ながら低いことが多いです。その理由は明白で、特養には療法士が絡む加算が少なく、リハビリで大きな収入を得ることが難しいためです。また人事考課制度がしっかりしている施設がまだまだ少ないため、自分の働きが評価されて昇進、という機会も極めて乏しいと考えられます。

これに対する対策として考えられるのは、「自分に付加価値をつけて交渉する」ということ。
私の友人の話ですが、地域貢献活動として行なっていた地域の茶の間の体操教室でファンを増やし、営業に貢献するという付加価値を自分につけたそうです。それだけでは誰も評価してくれないため、茶の間に来てくれる方にアンケートを取り、結果を年に1回の施設長との面談の際に直接見せるという方法でアピール。その行動によって、「上席機能訓練指導員」という新しい役職をつけてもらったということです。

この方法は誰にでもできることではないですが、特養は他の療法士に遠慮することなく給与アップの交渉を行いやすい環境です(他の療法士がいないから。)まずは機能訓練指導員+αの自分の価値を探してみましょう。

特養に向いている療法士はこんな人

ここまでお読みいただいた中で、特養で働くことへの不安が少し減ってきたのではないでしょうか。
次は実際に働いている特養療法士の声をもとに、特養に向いている療法士さんの特徴について考えていきます。

給料より休みやすさ重視

仕事のやりくりを全て自分でできるので、休みやすい

こんな声を特養療法士からよく聞きます。
自分一人で仕事のスケジュールを立てて実行していくので、周りに遠慮することなく休みやすいというのが大きなメリット。

ただし給与は病院と比較して低めなので、それを許容できるか、自ら上げていく気概があることが条件になります。
給与も大切だけど家族との時間も大切にしたい、生活のゆとりも大切にしたいという方には特養は向いていると言えるでしょう。

体力面に不安がある

あくせくしないで、ゆったり働ける

これも特養配属の療法士に多い声ですね。特に病院勤務で忙しく働いていた人にとって、このギャップは大きいようです。
もちろん仕事がないわけではないですし、やるべきことはやらなければなりません。ですが病院や老健と比較して、時間の流れは緩やかであることが多いです。

また仕事の内容も自身で調整することが可能。40歳を超えて体がきつくなってきたと感じる方にはぜひ、特養をおすすめしたいです。

計画を立てるのが好きな人

仕事がマンネリになりやすく、むしろちょっと退屈

決められたことだけをやるだけというスタンスの人は、こんな感想を持つこともあるようです。
確かに特養に入所されている方は基本的に入れ替わることがなく、身体機能面で大きな変化がある方も少ないです。「大幅に機能が向上した!先生ありがとう!」なんて場面ももちろんなく、マンネリとなりやすい環境にあります。

しかしその中でも楽しそうに働いている人たちはいます。その方々の共通点は、計画を立てて自分で実行していくことが好きなこと。
他職種連携はあるものの基本的に機能訓練指導員は一人ですので、自分の仕事の流れや過ごし方は全て自分次第です。無計画にダラダラと過ごす人にとって、特養はただ退屈なだけ。自分で自分の予定を立て、それを遂行することに喜びを感じることができる人にこそ、特養が向いていると言えるでしょう。

特養への転職を成功させるポイント

こひつじさん

ちょっと特養に興味か出てきたよ。けど転職ってどうすればいいの?

おだかすみ

特養への転職を成功させるためには、2つのポイントを押さえることが大切だよ

転職エージェントを活用する

特養の給与が低めなのは繰り返しお伝えしている通りですが、それでも少しでも高い給与で働きたいというのが万人の願い。その願いを叶えるためには転職エージェントの利用が必須と言えます。その理由は以下の通り。

特養転職に転職エージェントが必須な理由
  • 自分のことを客観的にアピールしてくれる
  • 給与交渉をしてくれる
  • 事業所の内部情報を取得できるので、自分に最適な職場を選べる

まず転職エージェントに登録すると、自分の経歴についてしっかりとしたヒアリングを受けることになります。自分がどこに所属していてどんな仕事をしていたかを伝えることで、他の療法士と比較した「自分にとっての強み」を明らかにすることができます。
転職エージェントは転職をさせるプロなので、強みの伝え方もバッチリです。強みを相手に的確に伝え、できるだけ高い給与を提案してもらうことも可能です。

詳しく知りたい方は私の体験談もご覧ください。

さらに介護職員の転職サポートもしている転職エージェントでは、施設の内部情報に精通している場合が多々あります。特養への転職を狙うなら、運営元が介護職員向け求人サイトも経営している「マイナビコメディカル」や「PTOT人材バンク」が特におすすめですよ。

転職エージェントについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

アピールするべきポイントは○○

病院やクリニックへの転職の際には、得意な手技やこれまでどんな疾患のリハビリを行なってきたかをアピールポイントにすることが多いでしょう。

しかし特養への転職に関して言えば、これらのアピールはあまり意味がありません。
なぜなら特養は「治す」「回復させる」施設ではなく、「今の機能で暮らしていく」施設だからです。

そのため、特養への転職の際には下記のような経験がアピールポイントになります。

  • 職員向けに移乗方法の研修をしたことがある
  • シーティングやポジショニングを勉強し、患者さんが楽に過ごせる姿勢を周知した
  • 転倒を繰り返す患者さんの住環境を見直し、転倒を減らすことができた

これらはあくまで一例ですが、ポイントは”患者さんの機能を引き出し、暮らしやすくするためのお手伝いをした”ということ。
患者さんを回復させるといった華やかな成功体験に隠れがちですが、これだって立派な成功体験です。
ぜひ履歴書を書くときや面接の際には、こういった経験にスポットを当ててアピールしてくださいね。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事では特養の特徴、機能訓練指導員の仕事内容や心構えについて解説してきました。
結論、特養は40代のポテンシャルを最大限活かせる可能性のある職場です!

40代で今の職場にいづらさを感じている方、生活とのバランスにお悩みの方は、特養への転職もぜひ選択肢に加えていただきたいと思います。

転職活動自体はノーリスクで行えますし、自分の視野を広げるチャンスにもなります。
他の職場も検討したい、という方はぜひこちらの記事も参考にしてくださいね。

自宅近くに特養の募集があるかどうか、まずはここからチェック!

おだかすみ

あなたの挑戦を、私は応援しています!

それでは良き療法士ライフを!!

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この記事を書いた人

・言語聴覚士 18年目
・リハビリ科管理職 2年目

老健→特養→病院勤務を経てリハ科のリーダーに就任。30人のリハビリ職員と、ゆるく正しく穏やかに働く道を模索中。


療法士のやりがいと年収をあげるヒントを発信しています。人生100年時代を生きる療法士が、心と体を守ってすこやかに働けますように。

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